ネブラ・スカイディスク

このにこちゃんマークみたいなものは、ネブラ・スカイ・ディスク。



2002年にドイツのネブラ村の丘陵で発見された、世界最古の天文盤と言われるシロモノ。およそ紀元前1600年前のものという。
たまたまNHKのコズミックフロントという番組で見たのだが、30センチほどの青銅板に金で、満月?太陽?、三日月、星々をあしらった魅惑的なディスク。
http://www.nhk.or.jp/space/program/cosmic_130718.html


今世紀最大の考古学の発見と言われ、考古学者、天文学者がこの盤の謎に挑み続けている。
ドイツで発見されたのに、銅はどっか違うところから産出されたもの(トルコあたりだったけ)、金はイギリス産。
また右側は発掘の際に剥がれ落ちたらしいが、両側に帯状に金の細工が施され、研究の結果、夏至冬至の太陽の位置、つまりそれぞれの太陽の日の出と日の入りの位置を示しているという。金の細工の下側が冬至の太陽の出と入り、上側が夏至の太陽の出と入りらしい。


もっと驚くことに三日月と5つくらい星が集まっている図案の部分は、プレアディス星団、俗に昴と呼ばれる星を表しているといい、太陽暦太陰暦のズレの修正の位置を示したものだという。

番組では、月が地球を一周するのが28.5日。地球が太陽を一周するのが365.242194日。これを28.5日で割ると、一年で11日、3年経つと約33日ズレが生じるので、この昴の近くにこの形の月が見えたとき、閏月を挿入して、暦を調整する目安としていたというのだ。

望遠鏡も文字もなかった時代、人間の目だけで観測し、勝ち得た知識がこの小さな版にぎゅっと詰まっている。

青銅器部分は塗料がはげて青く見えるが、実際は黒く塗られ、金の星や月が光り輝くように作られた。愛知博にきたそうだ。見たかったなあ、これ。なんかどきどきする。


これ、また解読進んでるのかなと検索していたら、鳥栖市の公園にレプリカが置いてあり、それも一度盗難に遭って、またドイツから送って貰ったという記事がヒットした。
えええ、なんで鳥栖市?!それもいつもの通勤の帰り道。これは寄らねばならんでしょう。

あった。



あまりの暑さでガラス板の内側に汗をかいていて、見にくいが、ネブラ・ディスクだ。



他に28日の月の満ち欠けを象徴するモニュメントも。


説明版。フッベルのピアノが縁で、ドイツのツアィツ市と姉妹都市となり、交流の証としてレプリカが贈られたという。
詳しくはこちらhttp://www.city.tosu.lg.jp/2764.htm



飾られている公園は、弥生から古墳時代まで1つのクニがあったとされる柚比安永田遺跡のどまんなか。



ここは高速の鳥栖ジャンクションのすぐそば、旧長崎街道、九州の大動脈3号線もすぐそばを通り、古代から交通の要所だったところ。
流通団地、ニュータウン、アウトレットモールの開発に伴い、夥しい数の甕棺、住居跡、古墳、副葬品そして出雲地方に分布する銅鐸を作るための鋳型と溶鉱炉が見つかり、国指定の重要な遺跡。



溶鉱炉があるのなら、そこは風が吹き抜けるところでないといけない。



この日35度の猛暑日だったが、ここにたつと寒いくらいに風がびゅーびゅー吹き抜ける。なんだか不思議。他の所はじりじり暑いのに。
古代の人は現代人より、自然の観測や五感の鋭さは現代人よりはるかに優れてたんじゃないだろうか。便利さを手に入れた代償として、なにか大切なモノを失ってしまったのかもしれない。ときどき夜空の星を見上げてみようか・・・。