不思議ちゃん

きなこは、猫の着ぐるみをきた、地球外生命体のようだ。



うちにきてまず、こげにゃんにだーっと駆け寄り、必殺猫パンチをくらい、『えっなんで?』という泣き顔で駆け戻ると、今度はぴょんにだーっと駆け寄り、いつも自分が寄っていくことはあってもにゃんの方から駆け寄られてことのないぴょんは、目を白黒。にゃん好きなわんこだったからよかったもんの、普通のわんこは噛むよ、間違いなく。もんちーを見るとやっぱりだーっと駆け寄り、もんちーは目を見開いたまま、しばらく凍結。誰かが動くと、そっちにだーっ、また誰かが動くと、だーっ。保護したときは車にもだっー。最初は心細さのあまりパニックを起こしてたのかなと思い、次は目か耳に障害がある子かなと思い、もしかして深窓のお嬢様育ちかなとも思い・・・。



なんというか危険察知力が欠けている。なんにも考えずに駆け寄る。敵か味方か、知ってるにゃん(人間)かそうでないか、安全か危ないか、そんなのおかまいなしだ。当然、挨拶の仕方も知らない。にゃんは鼻ツン、お尻フンフンどちらかやって、相手と自分の距離をはかりながら、お互いを認識していくようだがそれもまったくナシ。ただただ、だーっと突進あるのみ。



カリカリは食べるけど、カルカンのレトルトパックは、ふっみたいな感じで見向きもしない。もんちーなんてかさかさ封を開ける音で、目をキラキラ、ちょうだいちょうだいと駆け寄ってくるのに。もしかして人間にかしずかれたモンプチ女王さまとして育った?
モンチーからプロレスを仕掛けられても、『えっ何をなさるの?』『あらっご無体な・・』てな反応で、最初は反撃するということすらわからなかったよう・・・たぶん他の猫と交流したことがないとみた。




運動神経は高いようなのだが、その正しい使い方がわかってないというかなんというか、けそけそしてる。(博多弁で落ち着きがない)だけど、年の近いもんちーと交流することで、ちょっとずつにゃんこの流儀を獲得し始めたよう。もんちーにちれいちれいしてもらって、3日後には、自分もちれいちれい返しができるようになった・・・。




もんちーはあきらかにとろくて、運動神経だけ比べると、きなこよりはるかに劣るが、自分の能力を把握していて、決して能力を超えることはしない。敵か味方か、危険か安全かちゃんと考えて反応する。なので、なんだかもんちーがとっても賢く、年上に見えてしまう。実際はもんちーが1,2ヶ月年下なのに。




だんだん距離を縮めていった2匹だが、きなこはもんちーをとっても頼りにして、もんちーが来るといそいそ寄り添い、寝るときも近くで寝るまでに。




もんちーからにゃんこのいろはを学習し、このまま落ち着いてくれればなあと思っていたら、今朝あっという間に家を脱走し、またもや、ぴょんにだっーと駆け寄るのを見て、このにゃんは怖い、危ない・・・・。木曜病院連れて行ったとき、もしかして発情期かもしれないとドクターから言われたのを思い出し、落ち着きのないのもそのせいかと相方と話し合い、まずは去勢手術をして落ち着かせたほうがいいだろうということで、病院に電話し、今日預かってもらって明日手術を行うよう手配した。
 


今まで幾多のにゃんをみてきたが、なんかこの子は変?
と思って病院のスタッフに訊くと、『そうですね〜きじとらちゃんは、不思議ちゃんが多いですもんね〜』・・・ああやっぱり〜、きなこは不思議ちゃんなんだあ。ちなみに、三毛は根性モンで、黒白はいい子かなと思ったら突然キレることがあるそうだ。(ごまちん、キレないでね)。あと黒とサビ猫がどうなのか聞き忘れたので、明日訊いてみよう。



とにかく不思議にゃん、きなこ、先行き育児にちょっと不安なのであった。