湯平温泉
九州八十八湯、対象施設は120ある。そのうち八十八を巡る温泉道の修行を積むことにより、温泉達人を目指すものだが、相方がはいった温泉は79。88までカウントダウンに入った。近場は独りでごそごそ行き、もう楽しくってたまらないらしい。
湯平温泉。湯布院から国道210号線を南東に下った谷間の小さな温泉場。観光客であふれる湯布院よりも落ち着いていて好きな湯治場だ。谷川の両側に小さな木造の旅館が建ち並び、共同浴場も金の湯、銀の湯、中ノ湯、砂湯と多彩。
1湯めは旅館しみずの露天風呂と洞窟風呂。
露天も洞窟も良かったが、洞窟風呂は湯気がすごくて撮影できなかった。中はひろく天井の岩はところどころ白い結晶が光り、不思議な岩で作られていた。ほわっと薄暗く、なんか落ち着く。照明を消したらまるでラピュタにでてくる洞窟だな。飛行石とかあったら楽しいぞ。
石畳の急で狭い坂道がメインストリート。この道をくだって、次の砂の湯にむかう。
ふっと横道をみると、細い橋。ここを渡ったところの川そばに砂湯がある。
川の流れは急で水は澄んでいる。
砂湯のお湯は素晴らしくまるでまとわりつくように柔らかで、優しい。湯船の縁は木だが、底はさらっとした砂岩でできている。
壁はおそらく、日田に残る土塀の職人たちの手によるものだと思う。
ここよかったわあ。
メインストリートの坂道の脇には、こんな急な階段がところどころ出現する。
長崎の街がちょうどこんな感じ。立山あたりの坂道にそっくり。懐かしい。
ぜーはー言って坂道を登って車の所に向かう。晴れてはいたがやはり山の中。空気が冷たい。身体はぽかぽかだが耳が痛い。
『共同浴場を全制覇っていうのもいいなあ〜』『いや、そのまえに今日で81湯だから、あと7つ制覇が先だ〜、88番目は別府高等温泉と決めてるんだ。』
あそっ、いつか独りでこそっと来ようっと。