宿題

一回り以上年上だが、公私ともに尊敬している女性がいる。



2,3年前に起業して事務所を設立し、久しぶりに仕事の打ち合わせで事務所にお邪魔したのだが、去年事務所を揺るがしかねない事件がおきたのだそう。立ち上げ当時『私もそういう仕事がしたかったんです、ぜひお手伝いさせてください』とパートナーとして入った女性が、実はとんでもない人で、『悪貨、良貨を駆逐する』ということわざのとおり、会社存亡の危機にまで陥ったのだそう。、根拠のない自信たっぷりの態度、だけど実際は考えられないミスだらけ、指摘されるとそれはすべて他人が悪い、そして辻褄の合わない嘘ばかり、嘘の上塗りをたくさん重ね、同僚の悪口の告げ口三昧・・・・。得意先の信用を失いかけるところまでいって、やっと気づいたという。


どんな人にも良心がある・・・を信念におく人だっただけに、ショックが大きかった。きちんと確認しない自分に落ち度があったと自分を責める。脳みそを手でぐちゃぐちゃとかき回されるような不快感と心労で去年倒れたそうだ。日射病で倒れたと聞いていたが、ほんとはそういうことだったんだ。


最近こういうひとにであう機会が、実は増えた。自分が出会うだけでなく、『こんな人がいる、どうしたらいい?』と相談を受けることも増えた。聞いてると程度の差はあれ、なにか共通のパターンがある。人をめちゃくちゃ言う割に、自分のモラルは低い。人の汗や労力、時間、そして獲得したものに対して恐ろしく鈍感でルーズでなんの仮借もなく奪う。そして平気で嘘をつく。いや本人は嘘と思ってないというところがそらおそろしい。そして、最初はにこにことして痒いところに手をさしのべるように、親切心いっぱいの笑顔ですうっと近づいてくるのが共通してる。


こういう人の、心の奥の芯はいったいなんなんだろう?


『そしてね、もうひとつショックなことがあったのよ』
20年来の友人ががんに侵され、闘病生活を送っていたがついこの間自殺をはかったのだと。携帯に着信が2回はいっていて、きづいたのが夜中の12時、遅いからと体調を心配して翌朝に電話してあげようとおもっていたら、その夜中の2時頃に自殺を図ったことがわかったという。
『どうしてそのとき電話しなかったのかしら、話すことができたなら、助けることができたかもしれない。』
目にいっぱい涙をためて、
『繰り返し繰り返し思ってしまう、これは私の宿題なのね、ずっとずっとそのことを抱えて考えていかないといけないのね。涙は自浄作用があると言うから、ごめんね、泣かせてね』



この世には、どうして、考えても考えても答えのでない問いがあるのだろう。


お互いに、苦いものをむりやり飲み込むようにして笑顔を作って、仕事の打ち合わせに入り、夕方遅く辞去したが、私の宿題もまたひとつ・・・・。


戦士のつかのまの休息




ワルオ2号は最近とんと見かけなくなったが、新たなボスキャラにゃん(首輪してるけど、強そうなキズだらけの猫)が出没し始め、一難去ってまた一難、大忙しのヤマト。


にいさん、おつかれです〜。一応気をつかってるつもりのちなこ。



ありがとね、いつもあなたたちに励まされる。