美しいムラ

土日はボランティア関係の勉強会の、年に一度の外研修。研修とは名ばかりの、おばしゃ・・いや一泊女子会。今年は熊本県小国町北里の研修施設、木魂館で開催した。場所選定は私情丸出しで私が決めた。一度滞在したかったのだ。この美しい村里に。
1970年に過疎指定を受けた山間の村だが、小国市は宮崎暢俊さんという強力な村長のリーダシップのもと、地域活性化プランである都市とムラを結ぶツーリズムの考え方を提唱し、悠木の里つくりで再生した。小国杉を使ったユニークな木造建築の里でも有名だ。
北里は、小国市から一山越えた小さなムラで、細菌学者北里柴三郎の出身地でもある。


研修はどうでもよく(おいおい)、美しい村の中を歩き回る。基幹産業である小国杉に囲まれ、村の真ん中を北里川が流れる。




銀杏の大木を両側に配置した小さな鳥居。大社とだけ額に掲げられている。




後で調べると神社の名は、北里大社。出雲大社を勧請した神社で、大国主命を祀る。創建は古い。
本殿には、樹齢1000年のケヤキの大木と、真っ直ぐのびた杉の大木。





苔むしていて、うろなどもなく、健やかにのびた太い幹。生命力汪溢の木だ!!!こんな素晴らしいケヤキの大木に出会えるなんて!この木に比べたら、うちのケヤキはまだまだひよっこだわ。




広がった枝の先の葉っぱが朝日を受けて輝き、優しい影を作る。美しい風景。




金色に輝く稲。川にはハクセキレイキセキレイが遊ぶ。



色づいた柿の木に鳴くヒヨドリ



前日の夜には、村のはずれにある共同浴場(木箱に200円)、奴留湯(ぬるゆ)に15分くらい歩いて入りに行った。下からわき出すのだろう。簀の子の上に子どもの頭くらいの丸い石を置き、38度くらいのぬるくてゆったりとした源泉掛け流しの温泉。八十八湯にははいってないそうだが、温泉道を極める人たちからは、いれろ!と要望が高い名湯だ。

6時すぎにでて木魂館まで歩いて帰ったのだが、ひとっこひとり会わず、自動販売機などの余計な明かりもなく、月明かりだけをたよりにあるかなければならない暗さ。ここには余分なものがない。



ムラの境界線になる亀石峠からの眺め。ここを越えると大分県になる。



故郷でもないのに、懐かしさがいっぱいのムラ。マチに暮らしマチで生計をたてている私が、どう逆立ちしたってムラで暮らせるものではないのだが、こういう暮らしに憧憬をもってしまう。便利さ・快適さばかりを追い求めるマチの暮らし。そこからこぼれ落ちた大事なものがあるように思うのだが。