ひなび温泉、満願寺

満願寺温泉・・・人気の黒川温泉の山一つ隔てた谷筋にある温泉である。川筋に村落のメインストリート、そして共同温泉浴場が1つ、古びた2階建ての木造旅館が2つ、そして川に面した共同露天風呂が1つ。温泉街というよりは、村の温泉に入らせて頂くと言った感じか。


川の共同露天風呂。



結構な深さで、ごんごんとお湯が沸き出しているが、はいる勇気はない。実は10数年前ここに泊まったことがあるが、山帰りか、次の日山登りかで細かなところが記憶が定かでない。ただ、村外のものは夜10時以降にしかここに入れないと言われたことと、ほんとに村のおばちゃん達がすっぽんぽんで入浴しているのを見て、怖じ気づいたこと、これだけ鮮明に覚えている。
共同露天風呂のすぐそばに、共同炊事場があり、ここもお湯が後から後から沸いている。


ここで洗い物したり、野菜洗ったり、鍋にお湯を入れに来るおばあちゃんもいた。生活にとけこんだお湯の使い方である。
橋の下には、いっぱい大根が干してある。漬け物にするのかしら。とっても合理的な干し機であり、場所でもある。



2階建ての共同浴場


2階は集落の集合施設みたいで、今日は何事かお祝いがあったらしく、ほろよく酔っ払ったじいちゃん・ばあちゃんの集団とちょうど入れ違いにはいる。1人200円、木箱に入れる仕組みだ。酔っ払ったじっちゃんが、「おりゃあ、ときどき入れんことがある。」と横でほがらかにちゃかす。楽しそうだね、じっちゃん。
お風呂は、男女別の小さいお風呂と大きいお風呂の4つ。お義姉さんはこの張り紙を見てのけぞり、「私やめとくわ、荷物番してるからはいっておいでよ」



お湯は洗い場までざばざば流れていて、豊富な湯が掛け流し状態。気持ちい〜い。




待っていたお義姉さんも、小さなお風呂をのぞき見て、お湯がしゃばしゃば流れているのを見て、「やっぱりはいる。気持ちよさそう〜〜」
とうとう温泉好きお馬鹿夫婦に、芯まで感化されたようだ。



昔、泊まった旅館の前の看板は、甕仕立て。


村の地名ともなった満願寺元寇の役の際、当時の鎮西奉行だった北条時定の建立による。
なんでこんなさびれきった山奥にという疑問がわくが、きっと当時は、黒川よりもこちらが重要な往来路だったのかもしれない。



川に沿う目新しいガードレールがなければ、昭和初期にタイムスリップしたような古びた家が立ち並ぶ。



金田一耕助が、頭かきむしりながらひょいっと出てきそうな・・・・・


さしずめこの神社の苔むした階段は、八墓村の映画に出てきそうな神社だわ。



変わったガラスの模様。古びた物置だと思ったら



昔の牛馬のための建物だと思われる。この棟と直角に立派な母屋があり、ここは今は車庫になっているのか、でもナンバープレートがない・・・・。



川の共同露天風呂にはとうとうはいらなかったが、私はここんところの温泉紀行で、するっぽん!!と脱いで、するっぽん!!と着替えることができる特技を身につけた。横でお義姉さんが、「ぬぎっぷりがいい。」「着替えるのはやっ」と感嘆する。
ストッキングやタイツははかないとか、脱ぐとき重ねて一緒に脱ぐ、すぐ着れるように並べておくとか、ちょっとした工夫なんだが、、、こんなんが早くなってもねー、何の自慢にもなりゃしない・・・・。