正月弾丸温泉ツアーその1

晦日は、久留米湯の坂温泉でしめた。あけて元旦、雑煮と簡単なおせちを食べて、相方が独り勝手に企画した南九州八十八湯ツアー(一泊)で温泉初めだ。

第一湯め、宮崎県小林市の山の中にある神の郷温泉。



湯の中にある成分が固まって、洗い場にこんな模様を描き出す。バイキングと入浴料がセットで安いとあって、朝のおもちで腹満腹にも関わらず、温泉のあと地元の美味しい野菜料理に舌鼓。カボチャ、おいもの天ぷらにはまり、『おなかいっぱいではいらない〜』といいつつ、何度もおかわりにいく大食い家族。ああ、なんかデブチンツアーになりそうな予感・・・。
ちょっと動こうということで、ここから高千穂峰の中腹にある霧島東神社に初詣にむかう。



御池から山道をかなり登ったところにあるこの神社は、原生林に囲まれ空気が清い。




面白かったのは、神社の前に座す狛犬がなくて、こんなところにくっついていたこと。木彫りの狛犬の表情はなんともいえず柔らかで可愛い。ああ、あなたたちに会うためにここにこれたのかも。こんなユーモラスな表情だったら、悪いものも『間違えましたー』って帰っちゃうね。




2湯めは麓の湯之元温泉。高濃度の炭酸と鉄分を含んだお湯で、まるでソーダ水のなかに浸かってるよう。
そばを流れる溝も成分でこんなに黄色になっている。


飲料水もあって飲んでみたが、さびたくぎを浮かべた炭酸飲料という風味で、身体にいいのだろうけどとても飲めなかった。あとから出てきた甥っ子に美味しいよ〜と笑顔で勧め、顔をしかめるのを愉しむ意地悪おば。


ここから都城にでて、島津伝承館へ。都城は島津氏の発祥の地でいろいろ回りたかったのだが、正月でどこも休み。ここ伝承館のみがあいていたので閉館ぎりぎりに飛び込む。昭和天皇も宿泊したという島津邸も見て回ったが、それよりもなによりも甕〜〜〜。


縄通しのための穴が4つあるもの、2つのもの


注ぎ口があるもの、素焼きで細長いもの



たぶん中に入れるものによって形状が違うと思われる。いいわあ、やっぱり甕。


昔の農機具を展示しているところで見つけた素朴な表情のお地蔵??田の神と書いてある。



帰ってから調べてみると、田の神さあ(タノカンサア)は宮崎県の南西部から鹿児島県にかけて見られる、村々の田のあぜ道にたつ石像で、しゃもじや椀をもち、神様というよりはそのへんのおっさんがさあ飯食えといわんばかりの素朴でユニークで、自由奔放な庶民信仰の結晶といえる石像なのだそう。
ひょっとこ踊りといい、この田の神さあといい、南九州の生活の中に染みこんだユーモアと明るさは、どこからくるのだろう?
今度鹿児島にくるときには田の神さあの所在地を事前に確認して、巡ってみる旅もいいなあ。


陽もとっぷり暮れて、宿のえびの市の吉田温泉へ。関ヶ原の戦いのときの島津の武将島津義弘が愛した傷病に効く湯らしく宮崎県最古の温泉場。
宿のご飯は、相方がわあわあ言っていたとおり、山の幸やこのあたりでとれた素材を使った、決して豪華ではないが1つ1つの素材の味が素晴らしく、大変美味の滋養あふれるご飯だった。



鹿肉の刺身、猪肉の焼き肉、天然うなぎに鮎。ぷりぷりして初めての食感を肴に地元の焼酎、明月に酔う。すっきりして美味しい。


このあと満腹のお腹をさすりながら、旅館のお風呂と、外の共同浴場亀の湯にも入りに行く。



一日4湯、町内にはもうひとつ鹿の湯があり、ここは明日の朝の楽しみにとって、ふやけきって床についたが、明日回るコースをめぐって、甥っ子と娘と私ら夫婦で喧々囂々。鹿児島は行くところがたくさんあってそれぞれがそれぞれの思惑でわあわあ。どうなる明日?!!(つづく)