ごまちん基準

ごまちんはおかしな猫である。子猫の時はただの甘えんぼ猫だった。おっきく成長したはいいがのみの心臓猫となった。いつどこでどう変身したのやら。
『なんざんすか?あたしのことですか?』



外から帰ってくるとき、あるいは外に出るとき、走る。わきめもふらずに走って入ってきて走って出て行く。ごまちーんと声かけても、まるで何かに怯えるように全速力で行き来する。一階はごまちんにとって恐怖の通り道みたいだ。


二階にあがると安心して毛繕いをするのだが、相方のどすどすという足音に恐怖する。目が泳いで、どこに隠れようかと腰がうきたつ。
『ごまちーん、とうちゃんだよ〜』とねこなで声をかけられても、しっかり距離をとって、疑い深い目を向けること数分。相方の気が離れるのを待ってこそっと戻ってくる。



ごまちんには、なにかごまちんなりの基準があるんだろうなあ。



朝は必ずトイレにご相伴。なごなご鳴きながらまとわりついてトイレに行き、トイレの壁に頭を押しつけてなごなごしたあと、くつろぐ。出ると、『えっもう出るの?』といわんばかりに抗議の鳴き声を発して、トイレのそばにしばしたたずむ。トイレに招き入れないとずーっとな〜〜ごなご鳴くので、いつも連れション状態。なんなんでしょ。


新入りにゃんになれるのも3〜4ヶ月の時間がかかり、外で追いかけっこしたりするのはOKだが、接触やプロレスを仕掛けられようもんなら、怯えて逃げる。

一回り小さいサスケにもこのありさま・・・べた耳は恐怖の感情の表れらしい。
『ひ〜〜』



サスケは得意のイカ耳。『僕はやるばい!えっやったるばい!!』



結局これ以上の大事にはならないんだけどね。
非暴力主義で、柔和で気儘、自由を愛するごまちん。でぶだけど狩りの腕は一流だ。いつか土手の草原にひそみ、ヒバリを捕ってきた・・・・。


ごまちん至福の時、独りひなたぼっこでころりん。





『あがっ』




そう考えると、モンチーにはモンチーの基準があり、サスケにもこげにもQちゃんにも、譲れない基準があって、もともと単独で行動するのが習性のにゃんが団体生活を余儀なくされているのだから、いろいろはみでるところがでてくるのはあたりまえか。
それでも一応仲良くシェアし、お互いの存在を許し合っているように見える。
違っていてもどっかで許し合う・・・大事なことだね、ごまちん。