八乙女神事

3日間、宗像大社は3女神をむかえておおいに賑わう。


翁舞、浦安舞、流鏑馬などで神様を慰撫し、広い境内には300を越す露店が迷路のように所狭しと並び、訪れた人々の顔も晴れやかだ。3日目最終日の夜、高宮神奈備祭を見るために仕事を早く切り上げて訪れた。去年も見に来たけど、八乙女ご神歌をまた聞きたくて聞きたくて。
本殿は改修中で仮宮で参拝。


本殿の裏には、沖ノ島、大島の二女神の分霊をお祭りする第二宮、第三宮が鎮座する。どこかで見たような気がすると思ったら、伊勢神宮式年遷宮の際に下された宮だそうだ。元は、イザナギイザナミを祭っていた建物だそう。



唯一神明造りと言われるお宮だが、簡潔な美しさに息を呑む。


ここから高宮への道を登る。


本殿の裏に広がる鎮守の森の中にある磐境、ひもろぎの神のよりましとなる神聖な場所。



ここで、氏子青年団による八乙女唱和(拍子木をうって3回詠う)、そして太宰府の巫女達による悠久の舞が舞われる。舞よりも実は八乙女の歌がお目当て。黄色い装束に黒の烏帽子。青年団と言っても4,50才くらいの働き盛りの真っ黒に日焼けした男達。宗像七浦の漁師さん達だと思う。どうりで海上パレードのとき、ものすごいスピードで波にぶつかりながら走る船の舳先にいても平気だったわけだ。
彼らが詠う歌がものすごくいい。

去年の高宮神奈備祭抄録(今年は、集中して見たい・聞きたいがために写真はなし)

http://www.youtube.com/watch?v=jsh1IMNqvwI&feature=plcp


『八女(やをとめ)は 誰が(たが) 八女そ 天に坐す(ます) 天若御子の(あめわかみこ) 神の八女』


待っている間、神社から資料が配られ、この歌は、神功皇后が筑紫にきたときに詠まれた歌だと書いてあった。
だとすればこの歌は祝い唄で、当時妊娠していた彼女の御子の誕生を言祝ぐ歌だと思うのだがどうだろう。武内宿根率いる宗像海人族、たくましい男達が悠久の昔も詠ったのだろうか。
この神奈備祭は2005年に、630年ぶりに復活した秘祭。裏伊勢と呼ばれる大社の奥深い秘密とともに、興味深い祭りだと思う。

おまけ・・・神の御前に餅5枚、神酒をお供えするというが、餅は『あおつみの餅』といって、古代、白色はあおと言ったそうだ。いったいいつあおが白になったのだろう?