春夏秋冬

土日と3月下旬の暖かさだった。セーター一枚でも汗ばむほどの・・・・。

日曜朝、ぴょんが逝った・・・正確な時間はわからない。日が高く昇って陽射しが差し込んでから毛布の交換やご飯を食べさせようと思って覗いたら、すでに冷たくなっていた。夜は元気だったので、明け方近くに命の火が消えたのかもしれない。


去年の春先から認知症の兆候が出始め、闘病10ヶ月あまり。
今年に入ってから、もう自分で立ち上がるのも難しくなり、食事のときは身体を支えて食べさせていた。時々夜泣きもする。
ひどいときには、1時間毎にアンアンと夜中中啼く・・・。相方と交代で、お腹がすいてるのか、、水が欲しいのか、おしっこ・うんちで毛布が濡れてないか、寒くないか、どっかに頭突っ込んで無理な姿勢になってないか、チェックしにいくのだけど、原因がわからない。


近所からの苦情が怖かった。正直、安楽死の可能性も二人の間で出てた。でも・・・・・。
いざりながらも必死で物置からでてきて、用を足したり、ご飯食べたりする姿を見てると、どうしても最後まで見届けたかった。毛布で身体をくるみ、さすりながら囁いた。


「どうする?夜中啼いてて、もしうるさいって言われたら、殺されるよ。それしか道がないんだよ。いいの?殺されたくないよね?がんばり。最後まで見届けちゃるから、いや見届けたいから、頑張ろうよ。」
その日からぴたっと夜泣きしなくなった。


吉田松陰の言葉、どんな短い一生でもあるいは長い一生でも同じように春夏秋冬があると。

ぴょんの春夏秋冬は、豊かだっただろうか?
散歩に行くというと、嬉しさのあまりぴょんぴょん跳ね回って倒れるほどくるくる回るから、ぴょん。子犬の時に電車に接触して後ろ足を1本なくし、肥ると歩けなくなると医者から言われたので、山登りもさせたし、キャンプにも連れて行ったし、海にも連れて行って泳がせた。どこに行っても声をかけられ、えらいねえと声をかけられ撫でられた。
うちのにゃんずを守り、害するよそにゃんがいたら追っ払ってた。野良猫にも好かれ、配達のおじさん達は吠えられながらも、老いてゆく様を口々に心配してもらった。
なかなか良い一生だったかもよ。



一緒に春を見たかったけどなあ・・・、あんまり暖かいので春が来たと勘違いしたのかなぁ・・・。