8月を越えて

九州では、梅雨があけて以来、すかっと晴れた日が数えるほどしかないように思う。おまけにここ最近、台風がらみで雲が分厚くかかり、蒸し暑い。

7月決算を終えて一息つけると思ったのだが、大きなイベントを8月末に抱えているせいか、気ばかり急いて忙しい。
どうもストレスがかかると、体内負けるもんか食べちゃるぞ〜スィッチが自動的に押されるのか、3キロ太った・・・・・あああ。
おまけに、右の肩胛骨の下あたりがこわっているなと思ったら、だんだん痛みが肩まで来て、右手の先がしびれるように。ここんとこ、シャワーばっかりだったからか、背中が凝り凝りだ。弱り目に祟り目、泣きっ面に蜂だ。



福ちゃんが8月を越えることが出来なかった。食が落ちてきたと思い、病院に連れて行ったのだが、仕事から帰るともう虫の息。
私の帰りを喘ぐ息で待っていたのだろうか、水を飲ませると、あのこぼれ落ちそうな大きな瞳を開いて、息を引き取った。この間
5分もなかったと思う。

弱かったもんなあ・・・なんとなく口に出さなかったが、たぶん長生きできないというのは、相方との暗黙の了解だったように思う。自然界では弱い者は淘汰される。たくさん産んで、生命力の強い子が生き残り、弱い子は命のはしごから滑り落ちていく。そんな様を何度となく見ていたので、福ちゃんははじかれた子だと思っていた。先天的に内臓かどっか何か欠陥があったようだった。


だからこそ、いっぱいいっぱい可愛がった。相方と争うように一緒に寝て、ご飯を食べさせて、撫でて撫でて・・・・・少しでもいい、幸福というものを味わうことができたかなあ、福ちゃん。
気がつけば、いつも膝の上にのってきてあのこぼれるような大きな瞳でいつもじっと見つめられていた。あの黒い瞳が忘れられない。なんともいえないやりきれなさで、悶々とする日々。


白いムクゲの花。こんなに透明感あふれる花だったんだ。


「寂しいなあ」と毎夜つぶやく相方。私たち夫婦は、どっかおかしいのかもしれない。愛情をいっぱい注ぐ何かが必要なのかもしれない。