おしろい祭り

11月最後の土日は休みなしだったので、会社休んだ。鼻水ずるずるで、山間部は雪が降りそうな寒い日だったけど、この祭りがあると聞いて、完全装備、もこもこに着込んで、朝倉に向かう。

のぼり発見!



神事の間、粉雪が舞い、しんしんと冷える。



カメラをぶら下げたおじちゃんの後ろ、里の男達が、今か今かと待っている。働き者でしわしわで善良でちょっとシャイなおっちゃんたち。



拝殿は質素で古いが、由緒ある神社なんだろうか、立派な絵馬がいくつもかかっている。開け放しの板間に薄いござを敷いただけの寒い空間に里の男たちが座り、



区長さんの今年一年のねぎらいの言葉(台風を心配したけど被害がなくて良かった)、新しく入ってきた人の紹介、生産部長さんからの(年末飲み会しましょう!)と和気藹々と式次第が進行する。


でてきた膳は、ずっと決まっているそうで、煮豆、煮染め、ぬたに魚、お吸い物、そして上に刺身が一枚のった押し寿司。



甘酒に、



日本酒がはいると、いっきに場が和みというか、騒々しくなり、


シャイなおっちゃん達もよく笑い、しゃべり、気温がきっと何度かあがったかなあ、場が暖まる。
このおっちゃんはユーモアたっぷりで、撮影隊にも甘酒をふるまい、見物人にも「おいたちは動物園のサルみたいで、カメラを四方八方から向けられてはずかしか〜」といいつつ、しっかりポーズを決める芸達者。


酒が回り、おいちゃん達がほどよく溶けた頃、世話役達が米粉をといたおしろいを顔に塗っていく。


拝殿は、大きな笑い声と歓声があがり、寒さがどっかふっとぶ。


おしろいがよくつくほど、来年は豊作なんだそうだ。



ほんと!大豊作かも!!!

膳の残りは、やっぱり神田でとれた稲わらに包んで家に持ち帰るそうだ。


祭神はオオヤマヅミの命といってたけれど、ほんとのところは女の神さまだ。おしろい姫というそう。一年一生懸命働いて無事に収穫を終え、年の最後は、歓声で終わる。粋な姫様のはからいだなあ。


このあたりの里は針目の郷というそうだ。


神社の後ろの山の針目山からそう呼ぶと村のおばちゃんは言っていたが、山の反対側には、国指定の神龍石が山裾を囲み、阿蘇神社や八幡宮が要所に鎮座。岡山の鬼の城にそっくりだ。古代の鉄の産地には、一つ目神社とか左目神社とか、鉄を取り出すときに高温の作業で、目を細めたり、目がつぶれたりということがあったらしく、針目ときくと、ああ、ここもそういう場所だったのかなと思ってしまう。

昔はこんなふうに拝殿に集まって、一年の無事と安全を祈り、無事に一年を終えると感謝の宴を村人総出で行ってた場所はもっと多かったように思う。
寒くて凍えたけど、なんかほぅっとして帰路についた。もちろん冷えた身体は筑後川温泉でじっくりぬくたまって、ほかほかで帰った。。。