お見事!

いまやうちの迎賓館と化している『十八』。お客さんが来ると必ずといっていいくらいここへ案内する。


ボージョレー入ったけど飲む?』おかみさんの格好をした天使からの囁きに抗うことなく、すべて受け入れる食いしん坊のわたし〜。
ワインは全然わからないがこれは美味しかった!あけてからの一口目と、少し空気に触れたあとのものと味が違う。まろやかになる。真っ昼間から1本キレイにあけてしまった・・・・。

ボージョレーてね、葡萄をつぶさないで、そのまま発酵させてからつぶすんだよ、普通はねつぶしてから発酵させるんだけど』
『これはね、樹齢100年の葡萄の木から2房だけとれた葡萄からできたワインなんだよ』
ふわっとなって、大将のウンチクも半分遠のく・・・。ワイン蔵のためにアパート一軒借りてる大将のことだから半端なワインじゃないとは思ったけれど、それってお値段の方もすごいの〜とおもいつつ、ぼ〜となってもはや思考能力なし。



ワイン飲みつつ、いつものようにしゃぶ鍋ととんかつ、馬刺しをつついていると、またもや
『大きな声で言えないけどシロナガスクジラの刺身食べる〜?』
『面白いモノ作ったけど食べてみる〜?』
次から次へと天使の(悪魔の?)囁き。面白いものとは、柿うどん。バターでスライスした柿とうどんを炒めたごくごくシンプルな一品。プラス素材の味を壊さないソースを開発したとのことで、このソースをちょっぴり加えるのがミソなのだとか。



しっかりとおみやげで買ってきたので、うちでも作ってみよう〜。このあたりは美味しい柿の一大産地。入り口の所にもまるまるとした立派な柿が積まれていて、一個50円でばら売りしてた。これ使ったんだな、大将。めちゃくちゃ美味しくて、〆の高菜のお茶漬けと一緒にペロリと完食。私の胃袋どうなってんだ〜。
『天ぷらにしても美味しいんだよ〜』ええっ柿の天ぷら?これも家で試してみよう。



見事だったのがこれ。絶品、山形産ラ・フランスのコンポート。黒い数粒の種と茎のところ以外は全部食べられた。

『レミちゃんがまねしてもいい?っていってたけどさて真似できるかな?』レミちゃんてあのレミさん?
『うん、あの人は水曜しかこれないんだよね。』って確か水曜定休日だったよね。
『安くてもいいから色のいいワインが手にはいったら、作ってみるといいよ。茎のとこまでワインをどっぷり入れて、白砂糖入れてコトコト煮るだけだから。』って私にはできません。このまえ食べたイチジクのコンポート、和三盆だったじゃん。
『素材によって砂糖の種類を変えるんだ、これには白砂糖があってたね〜』

大将はもう70過ぎだが、その探求心は見事としかいいようがない。お取り寄せファイルなるものも作ってて、取り寄せては自分でも作ってみるのだそう。取り寄せられなかったとしても自分であれこれ考えて工夫して作るんだそうだ。今この夫婦のブームは東京の九十九餅らしく、そのうちこれも作るんだろうな。
飽くなき美味しいものへの追求、そして美味しいと食べてくれる人へのとびっきりのサービス精神。このエネルギーはどこからでてくるんだろう。

実は今回水炊きを頼もうとしたが、3日前に電話して間に合わなかった・・・・・どこから鶏肉を取り寄せるんだろうか、この親父。それとも水炊きスープ作るのにどれだけの時間を費やすのか・・・・・聞いてみたい〜。

5人で行って、東京X幻のとんかつ2人前、耳納豚のしゃぶ鍋2人前(2人前でも6人分くらいある)、馬刺し2人前、クジラの刺身、ごまさばのさしみ2人前、ボージョレー1本、柿うどん、ラ・フランスのコンポート(これはサービスで2つも出してもらった)、気になるお値段、さていくらでしょう?信じられないお値段で幸せな気分となって帰ってきた。

十八ばんざい!!!十八ブラボー!!!!今度はちゃんと予約して水炊き食べに行くからね!!!!