働く道具たち

みたびの下関。今回の目的は行けなかった下関考古博物館と土井が浜遺跡の人類学ミュージアム

働いてきた道具たち・・・土器。こういう人の生活を支え、日常の匂いがしみついた道具が好きだ。



貝の先端でつけた模様・・・どんな想いで刻みつけたんだろう、単純で質素だけど美しいなあ。


これは土笛。もがりのとき、あるいは祭りの時、古代人は言葉に出来ない想いをこの笛の音に託した。レプリカが置いてあって実際にふけるようになってたので、唇をいろんな角度にあてて挑戦。素朴な低い音。穴が6こ、6〜7段階の音が出たのだと思う。もしかして決まった調べのようなものもあったのかもしれない。


そして刺青を施された人形。魏志倭人伝によると古代の倭人は刺青をほどこしていたという。『くめ』というのも大きな目という意味で、戦いの時に強そうに見せるために目の回りに刺青をしていたところからきた言葉だ。この人形は魔よけとして使われたのかな。




ここの博物館は、開発者のブルトーザーの前に考古学関係者がたちはだかって遺跡を守り、紆余曲折して博物館として再出発できたという経緯がある。穏やかな話しぶりのおじいちゃん学芸員の方から貴重な資料を頂くことができ、小さな図書館が併設されていて資料も充実、小さいけれど温かな博物館だった。またゆっくり訪れたい場所の1つとなった。


私たちはあふれるモノに囲まれて暮らしている。お金さえ出せば、モノはすぐ手にはいるし、新しいモノがどんどん次から次へと出てきて目を奪われる。けれどほんとうに使うモノ、日常の匂いが染みつくほどに使いこなしているモノは限られているような・・・。古代人と比べて、人間自体がそんなに変わっているわけではないと思う、現代人。


そんなことをつらつら考えながら、温泉につかったのだけども・・・・。


もう少し、モノと上手につきあえるようになるといいなあ。