ひっとび鹿児島

今年はなんか鹿児島づいている。
お手伝いしてるボランティア団体、鹿児島で講座を開催するとのことで、事務局の、食欲に歯止めをかけない見事なメンバー構成で、お手伝い(こちらは割合として1割ね)兼事務局お愉しみ会(こっちが主ね、自腹)ツアー。女3人、言いたい放題、したい放題、我が儘言い放題のパワフルかしましツアーとなった。


コースはお任せだけど、温泉とー、絶対かるかん、それに道の駅にもいっぱい寄りたい、鹿児島のうまいもん食べたいのご希望。
温泉は、栗野の南州館に行き、かるかんを求めて3軒まわるという、かるかん命の女たち。




かるかんまんじゅうというのは、そこはかとなく知ってはいたが、それほど和菓子に興味のない私と違って(カステラ一辺倒だったし)、二人のかるかんに対する情熱は、すごかった!
かるかんとは、山芋と米粉と砂糖を練って蒸したお菓子で、鹿児島の代表的な銘菓だ。砂糖が普通に潤沢に使えるようになったのは明治以降の話で、それ以前は、薩摩藩の財政を支えた重要産物だったらしい。藩ぐるみで砂糖を密貿易してたからなあ。



幕末、京都朝廷でのロビー活動に、かるかん、活躍してたのかもしんない。
「まろはこのほの甘いかるかんが好きでごじゃります〜」なあんて、公家の方々は、この上品な甘さにころりだったかも〜〜〜。


中にあんこが入っているかるかんまんじゅうしか知らなかったのだが、もともとは棹状で切って食べるのが本家本元。
「このもちもちとした食感がたまらないのよ〜」とかるかん命がおっしゃる。いっや〜確かに!もちもちとしてほのかな甘さで美味しい。はまるかも。



もうひとつ買った生げたんは(形がげたのはに似てるところから命名か?)。黒糖が染みこんでいて、素朴なお味で美味しかった。




道の駅にも、それから鹿児島AtoZにも寄った。鹿児島市内にはさすがにコンビニはあるが、農村部に行くとほとんどないといっていい。代わりに何でも売ってある鹿児島独自の小型スーパーはよく見かける。まあ、これが面白いお店が多い。AtoZはもともと阿久根のスーパーで、何でも売っているスーパー(墓石までも!)、また工夫がいっぱいの面白いスーパーということで成功事例としてメディアに取り上げられることも多い。最近、セブンイレブンなどが宅配を始めたが、元々はこのスーパーの真似だといっていい。

寄ったのは隼人店。広大な敷地に平屋建て(階段は高齢者にとって煩わしいだけという社長の考え方による)。まるで野に放たれた虎のように、3人の女は買い物籠をもって突撃〜〜。阿久根のつけ揚げ(薩摩揚げのことね)、大根の漬け物(ラーメン屋でもとんかつ屋でも山のようにでてくる)、刺身こんにゃく(美味しいのよこれが)、きびなごの煮付け、そして地元の人に聞いて美味しいと評判のしょうゆなどなど。主婦魂まっしぐら!!!ちゃんとクーラーボックス持参の用意周到さ!

だいたい3人構成だと、一人がブレーキをかける役に回るものだが、この3人に限っては「ブレーキはない」ことが判明。いけいけどんどん!出たとこ勝負!鹿児島弁の「ひっとべ」という言葉通りの3人。(泣くよかひっとべ!ぐじゃぐじゃ考えず、思い切って飛べ!という意味。司馬遼の翔ぶがごとくはこの言葉からとったんだそうな)まあそれだからこそ、あんなせからしい事務仕事がやれるのかもね。あー楽しかった!!!


さて、今回の鹿児島の旅でわかったことが1つ。鹿児島にはお寺が少ない・・・・。





国道10号線沿いにある鶴嶺神社。島津の歴代の当主とその家族の霊を祀っている。明治の初め頃の廃仏毀釈運動が鹿児島においてもっとも徹底されたらしく、島津家の菩提寺だったお寺さえも破壊され、ここに移されたのだという。明治初年の政府の構成員はもちろん薩摩人が多かったのにもよるだろうが、地域でその徹底度は大きく差があったようだ。


行くたんびに、新たな発見があるわ〜、鹿児島。




新緑がきれいだーと思って眺めていたら、もう野薔薇の白い花が沿道の崖に咲き乱れ、庭では黄モッコウの花も満開だった。やはり春の歩みの先頭をいく鹿児島。うちの薔薇ももうすぐ咲き出す〜〜〜。