ロヂウラを歩く歩く〜みそ・たまりの町、武豊

流れ出る汗をふきふき、半田からJR武豊線に乗り、武豊の1つ手前の駅、上ゲ駅で降りる。変わった地名・・・。近くにはヱゲ屋敷というこれまたヘンテコな地名もあって、凄く気になって帰って調べると、会下(えげ)が由来という。師の僧の元に集まること、もしくはその場所という意味で、お寺に関係ある地名みたいだ。少し高台になっていてぽちぽち海の方へ下ると、海岸寄りには大きな工場が建ち並んでいるが、幹線道路の両側は、こういう古い家が建ち並ぶ。




さて、武豊に来たのは、たまり醤油を昔ながらの製法で作り続けている蔵を見て回ること、そして美味しい無添加のしょうゆと豆味噌をゲットして帰ること、以上2つの大きな目的があった。

十八の親父の受け売りで、うちで使っているみりんは三州みりん。これが美味しいといわれ、十八の親父の息のかかっている久留米の酒屋で手に入れることができる。三州みりんは碧南市。半田から橋を渡ってすぐ。その先には八丁味噌で有名な岡崎市。知多から三河って醸造王国なんだあ。こちらも魅惑的なのだが、行程上(5時半までに知多半島の突端師崎港まで行かねばならぬ)、今回はしょうゆ&豆味噌、それも昔ながらの作り方で手間暇かけて作られている本物を手にれて帰るミッション。ぜーったい手に入れて帰るぞ〜。



車がびゅんびゅん走る道路から一本裏に入ると、静かなロヂウラ。




モザイク板塀。ここで何か洗い物をしているナイスおじさまと遭遇。




福岡から来たというと「どえりゃーとおくからきたで」とせっかくだからと写真を撮っていただいた。ありがとう〜。


一番目の蔵、仲定商店。しーんとして人の気配がない・・・やっぱり休みかあ。でもほのかに良い匂いが漂ってる。




てくてく歩いて行くと、籐でできた乳母車発見。知多の名産だ。かなり年季がはいって茶色に変色した乳母車をおばあしゃんが押していく写真をSevenさんが撮っていたが、ここのは新品。おしゃれだわぁ。




どんどん歩いて行ってユタカフーズの大きな工場裏を抜け、丸又商店に向かう。近くまで来るとたぶん近所の親父だろう、小さなビニール袋をさげて出てくるのを発見。ふぉっふぉっふぉ、しょうゆ買えるかもしんない。




休日で子ども達とバトミントンをしているご主人にあたまをさげ、小さなお店を開けて貰い、たまり醤油を買う。元気のいいおばあちゃんに、みそ小路の行き方ともうひとつとても気になっていた、どこの板塀にもあるこの横に渡している板のことを聞く。




火事がでたとき、ここを手がかりに壁ごとひっぱりだして延焼を防いでいたという。ちゃんと理由があるのね。

このあたりからみそ小路の始まり。味噌というかなんというか良い香りに満ちていて、ひとり異空間に飛ばされたよう・・・。





干してある丸石発見!たまり醤油作りに使う石だ。




本当は、工場内の木桶など見たかったのだが、いかんせん今日は休日。職人さんたちも休みはちゃんと休まないとね。


しょうゆの原材料は、大豆と小麦と塩。それに麹菌、乳酸菌、酵母による複雑な発酵過程をへて作られる。
大豆ばかりだとたまり醤油、小麦とか米が増えるとこいくちしょうゆ、もっと増えると薄口醤油なんだそう・・Sevenさんの受け売りです。はっきり言って知らなんだ・・・・。普段なーんも考えず使っていたのね。




九州のしょうゆは甘い。長崎では長工しょうゆで育った(ここは昔ながらの保存料・甘味料を入れない丸大豆醤油なのだそう)。が、久留米に来てこちらのしょうゆがあわず、今は佐賀の醤油をつかっている。けれど、砂糖(サッカリン)がやはりはいっている。・・・食品会社に勤めている息子にいわせると、ちゃんとした醤油を作っているのは少ないらしい。ちゃんとしてない醤油って・・・・まあ効率のためいろいろとね、やってるようだ。
決して料理上手とは言えない私。調味料だけでもいいもの使うと、ちっとはましになるかと思っているのだが・・・。




おおっにゃんこ発見!




もう一つのミッション。野良猫に近づいていってしっぽを握らせてもらう・・・こちらは見事に失敗した。あはは。


ここから名鉄知多線、武豊駅に向かい、途中このあたりの蔵のたまり醤油・豆味噌を迷い迷いいろいろと買い、うんうんいいながら電車に(重いぜ)。終点河和駅で降り、小型の乗合バスに乗りかえ知多半島の突端、師崎港をめざす。ここから高速船に乗って5分ばかりの島が今夜のお宿。バスの窓からは、三河湾の碧い海が広がり、多少荒れて白波がたっていたが、太陽の光をあびて綺麗だった。つづく