すがち

天手力男(アマノタヂカラオ)の像。天の岩戸神社の入り口にある。なんかリアル。



天の岩戸神社。神社と言うよりは遙拝所といったほうが近いと思う。この社の裏は断崖絶壁になっており、深い原生林の中、川を挟んだ岸の崖に天の岩戸の入り口がある。




社務所で申し込むと、神主さんの説明つきで木戸をあけてもらってこの裏にまわり、天の岩戸を眺めることができるのだが、木が覆い被さって中の方はよく見えない。ここから天の岩戸に行こうとして二人がこの崖をくだり、二人とも帰ってこなかったという。それくらい断崖絶壁、岩だらけの危険な場所にある。


天孫降臨の場所がここだという説の真偽はおいといて、お目当てのものがあった。
オガタマの木の大木




織機神社に行った際、オガタマの古木は、九州では天の岩戸神社と織機神社にしかないという立て札を見て、この古木に会えるのを愉しみにしていたのだ。(あと宮崎の生目神社にもあるらしい。ホークスのキャンプ場近くなので来年見に行こう)
もうひとつが、古代イチョウの木。




古代イチョウって何?と思い調べてみると、イチョウの木自体が古代植物の1つで植物学上珍しい植物なんだって。日本ではありふれたよく見る木なのに。
1億5千年前に最もイチョウ類が繁栄したそうだが、南半球で絶滅したのを皮切りに、北米、ヨーロッパ、日本で絶滅し中国南部におけるイチョウただ1種だけが生き残り、その後、鎌倉時代以前に中国から日本へ、ヨーロッパへは18世紀にはいって日本から伝わったのだそうだ。
イチョウは雌雄異株だが、古代イチョウは雌雄同株、葉と実が一般のイチョウと違うというが、よくわからない。
古代イチョウはここと長野の諏訪大社(いわくがあるわ・・・)にしかないらしく、天皇家にも奉納したようで、新宿御苑にも植えられているという。何とも不思議な話だ・・・・・。


緑のレースの帽子。おっしゃれ〜〜。




ときどき雨がざーっと降るなか、天の安河原に向かう。清冽な水の流れ。


ギボウシキツネノカミソリ




もうただ原生林と川の流れが美しくて・・・。豊かな森。




最近はパワースポットとかスピリチュアルなんじゃらとか言われているが、古代日本人はこういう場所を清地(すがち)といった。すがすがしの”すが”だ。



天の安河原から見る深い森。




元宮崎県知事、東国原英夫氏がここで不思議な声を聞いて出馬を決心したというのは有名な話だが、神の声が聞こえたのではなく、心のコップの上澄みの部分にあったもやもやが晴れて、そこに眠っていた自分自身の本心の声が聞こえたのだと思う。

すがすがし。

この神社があるおかげでこの森は未来永劫守られる。