柳川ロヂウラ探検

天気予報では午後から雨。観光客で大賑わいの堀端から、急いで路地裏にはいる。雨が降り出す前に柳川のロヂウラ探検。町は静かでほとんど人と出会わない。
あちこちに細い堀が縦横無尽に走る、水郷の町。
石垣も年季が入っている。



堀に降りてゆける石段もあちこちあって、ちょうどほころび始めた桜が水面に映る。静かなお昼時。時間がゆったりと流れている。




石段からのぞいていると、初老の女の人の話し声。「昔はね、ここに降りて何でも洗っていたのよ、なあんでも。水がきれかった。夏になると泳いでたもの。あったかくなるとね、みずかげろうがたってね。」




白秋の生家は元々は海産問屋だった。父親の代で酒屋になったという。まわりは漁師の家ばかり。




あの先は、土手かな?




堀も海の匂いがする。



それにしても恵比寿さんが多いこと!佐賀やこの間行った赤司八幡宮のあたりにも恵比寿さんが辻々に祀ってあるけど、ここは恵比寿さんが集中している。



しかもこんな風に電灯付きなのだ。夜もちゃんとまいることができるように?生活の中に恵比寿さんが溶け込んでいる。




川に出た、沖端川だ。つきでた棒の中に舟が係留されている。干満の差が激しいここではこうしておかないと潮が引いたときに舟が倒れてしまうからかな、独特の風景だ。





有明海の海の幸。海苔が有名だが、こんなものも。緑色の貝は、タイラギ。ひもをポン酢で、わたはバター焼きとかで食べる。



これは確かマテ貝だったけ。塩と筆で採るという。



他にも赤クラゲ、白クラゲ、イソギンチャク、くつぞこ、初めて見るものばかり。



晩年、病気で失明した白秋が、万感の想いで読んだ故郷をこうる唄、帰去来。


山門(やまと)は我が産土(うぶすな)、
雲騰(あが)る南風(はえ)のまほら、
飛ばまし、今一度(いまひとたび)。

筑紫よ、かく呼ばえば戀(こ)ほしよ潮の落差、
火照沈む夕日の潟。

盲(し)ふるに、早もこの眼、見ざらむ、また葦かび、
籠飼(ろうげ)や水かげろふ。

帰らなむ、いざ鵲(かささぎ)かの空や櫨(はじ)のたむろ、
待つらむぞ今一度。
故郷やそのかの子ら、皆老いて遠きに、何ぞ寄る童ごころ。




さてお約束。帰りも、角を1つ曲がり損ねてまた迷った。雨も降り出して、山がみえない。360度畑のどまんなかで『ここはどこ〜?』
同じようなところをぐるぐる。でもそのおかげで素敵な街を見つけた。朝市が立つという、柳川市大和町中島。地図もゲットしたし、また行こう!