立春

太宰府飛び梅


七支刀を見るついでに天満宮へ。四分咲きといったところか・・・。他の梅園の梅に先立ちて、春を楚々と知らせる。
境内は、南京玉すだれの実演も行われ、外国人観光客もあふれ賑やか。


境内には梅園もあってたくさんの梅が植えられているのだが、まだ固い蕾ばかり。ああ、いいときに来た。飛び梅はとても地味なので他の梅が咲きそろうとかすんでしまうが、この花だけだと馥郁たる香りが漂って、とても豪華に見える。



去年、官公が死んだとき牛に遺体をひかせ、寄り添ったというおつきの人を祖先に持つ味酒宮司の話を聞く機会を得た。何故かここで牛がとまって動かなくなったので、ここに遺体を埋めたという。都では天変地異が続き、官公のたたりだということで立派なお宮が建つことになったのだが、箱物だけ建ててあとは知らんぷりだったらしく、困窮したという。その窮状を助けたのは志賀社、安曇族の志賀神社で、中国との貿易を一緒に手がけることで、お宮を維持できた。
確か中津だったか、都落ちした官公を乗せた舟が難破同然に漂着し、豊前から小国あたりの山を越えて、福岡にたどり着いた。途中の山道に官公ゆかりの謂われがところどころ残っているのだが、道々に迎える人々の慈悲にすがりながらの道中だったようだ。


藤原時平の嫉妬を買ったというのが都落ちの表の理由のようだが、もうひとつ隠れた重大な理由があるという。


飛び梅は人の世のせちがらい事情を知ってか知らずか・・・ただ静かに咲きこぼれるばかり。


立春とは言え春はまだ遠い、明日からはまだ雪が降る、真冬の天気に逆戻り。
紅梅も1本だけ咲いていた。冷たい風に翻弄されなければいいね。


春が待ち遠しい・・・。