いきなりアドベンチャー

年に1回の女性ばかりの研修旅行は、参加人数10人、かますびしく霧島天降川に向かう。

最初の予定では、甌穴を見て足でもつけて涼むつもりだった。この謎のおっちゃんが出現するまでは。


きっと足腰が不安定なおばしゃんグループが見ていられなかったのだと思う。


でもどんどん上流へとさかのぼり、洞穴まで案内してもらった。


ちょうどこうもりの子育て時。空気はひんやりとして川は美しく気持ちがいい。


このあたりまでは余裕しゃくしゃく。美しい風景に歓声とため息が。


「暗渠まで行くかい?」 一番年長者が「はい!!」とやる気満々。


この暗渠の上を肥薩線が通っている。地盤の固いところを掘って、川の流れを変え、安全に列車を通すために作られたのだそう。


結構な距離で、流れも速く、張られたロープをたよりに進む。


時間が止まったように感じられる不思議な空間。


水がごうごうと流れる音に満ちているのだが、足下だけに集中しているので静かで、自分の五感が研ぎ澄まされているのがわかる。


やっと出口・・・。


「トンネルを抜けて帰ってくると、余計なものを捨ててこられるよ。」
いやしかし本当の試練は帰り道に待っていた。



一人ロープから手を離し転んで靴を流され、もう一人は甌穴にはまり込み、私もくぼみに足を取られもう少しでカメラをおだぶつにするところだった。

が、こんなアドベンチャー体験、もうたぶん2度とあじあうことはできないだろう。夜遅くまで、この冒険譚に話がわいた。
そしてカメラで盛んに写真を撮っていたおっちゃんは、ファイルにして写真とCDをわざわざホテルまで届けてくれた。


挟んでいたチラシには、天降川の良さをガイドするNPO法人の名が。。。。この川が好きで好きでたまらない、そしてもっと多くの人に知って貰いたい。そんな想いにあふれていた。
おっちゃん、ありがとう!めちゃくちゃ楽しかった!!!