夕日の潟

花筏を撮りたいということで下見に来たが、まだまだ花吹雪は先のよう。駐車場探しで手間取り、あっというまに日が落ちていく。
白秋の帰去来の詩にあった、『恋ほしよ潮の落差、火照り沈む夕日の潟』の風景を見たくて、海岸のほうへ走る。


突然広がる菜の花畑。向こうに堤防が見える。



ああ、なんとか夕日に間に合った。



渚のように見えるが、広大な干潟。

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最初、でっかいカニかと思った、なにやらしきりにうごめく黒い影は・・・・一生懸命お食事中の鴨。ヒドリガモのようだ。



そして高床式の小屋は、柳川に残る伝統的なくもで網漁を行う建物跡。こちらがまだ使われているくもで網。棒の先に網を仕掛け、エビや小魚を捕るという。干満満差が6メートルもある干潟ならではの漁法だ。



干潟と海苔の養殖場のあいだ、潮の道を通って、船が帰ってくる。



『恋ほしよ潮の落差、火照り沈む夕日の潟』晩年の白秋が狂おしく恋焦がれた海。