十八

今年の忘年会は私がしきった。

十八と書いてとおはちと読む。愛してやまない、吉井町の隠れた名店だ。どう見ても田舎の居酒屋にしか見えないが、(中には昔なつかしショーウインドウの冷蔵庫があり、一品おかずが並んでいる)感動を呼ぶ、私のナンバーワンのお店だ。

邦夫ちゃんが大臣だったときに、定額給付金は何に使いますか?と聞かれたインタビューで、しゃぶしゃぶでも食いに行こうかといった、そのお店である。


冬になったら、かにすきを食べにおいでと大将に言われていたので、宿泊付き忘年会、一次会のみとなった。原鶴温泉で、温泉つかってつるつるになったあと、いざ出陣!

紋別町出身の大将が空輸で仕入れた生のタラバガニ一匹を見せてくれて、まずは刺身。

〔かにはね、絶対水洗いしてはいけないんだよ〕とうんちくを聞いた後、醤油も塩もなんにもつけずじゅるじゅるとすする。あああ〜絶品!生きてて良かった〜。海の味そのまま〜。

刺身の後は、かにだけがかつおだしにつかった鍋が登場し、沸騰したら火を弱めて、まずかにだけを食べる、そしてかにを食べてから、野菜を入れて食べる、だしはすすらないで残して、最後は雑炊だよという注意事項を聞いて、無心にかにをほうばる。以降写真を撮ることすら忘れ、ひたすら、ぷりぷりのかにとおいしいお酒をいただく。かにのうまみが鍋に溶け出して野菜だけでも、なぜこんなにおいしいの?とうなりながら完食!雑炊も卵とあさつきだけを入れ、味付けなしで、極上の旨さ。

鍋だけで50種類くらい、東京エックス豚しゃぶ、鴨鍋、鴨すきと食べてきたが、どれもよそにはないこだわりの材料の仕入れ、料理法で、もう最高に幸せな気持ちにさせてくれる。

料理だけではなく、お酒もすごい。足と舌で集めた、日本酒・ワイン・ブランデー・そして麦焼酎米焼酎芋焼酎・おいてる数が半端ではなく、お酒の貯蔵のためにアパート一軒借りているくらいの豊富さ。メニューに載せている数もすごいが、実はメニューに載ってない、隠れたレアなお酒がいっぱいある。
うちのだんななんぞは、大将が奥からもってきて試飲させてくれる、幻の焼酎に毎度感動させられている。

帰り際、『日本酒好き?』とす〜っと大将がよってきたので、『日本酒をちびちび飲むのが好きなんです』というと(この日は越乃寒梅・金無垢を飲んだ)、『日本一おいしいお酒を飲ませてあげる』と、グラスについでくれた、その日本酒は・・・・・今まで飲んだことのない、見たことも聞いたこともない、長野の杜氏さんの手作り日本酒。のどを通って、内臓まです〜と入って、そして胸がほわっとなる、素晴らしい味わいのお酒でした。

十八バンザイ!十八ブラボ〜!

次はどんな鍋がお勧めですか?と聞いたら、あんこう鍋、ふぐ鍋だねといわれたので、また一生懸命働いて、お金貯めて、行きます!!!絶対行きます!!!!