がめんちょろ

25日は母の誕生日で、かしまし4人姉妹が長崎に集結し、陽射しはあるが冷たい強風が吹きすさぶ中、さいかい丼フェアが開催されている西海市へ食事に行った。


母を入れてとっくにとうのたった熟女ばかり5人。総体重もさることながら、ぴーちくぱーちく言いたい放題、車内はかますびしいことこの上ない。そのなかで、下から二人の妹たちが、「私たち、がめんちょろだったもんね。」



がめんちょろ....ああ、何十年かぶりに聞く懐かしいその言葉!



長崎には車のはいってこない路地がたくさんあって、近所のがきんちょがあつまってはゴム跳びやら花いちもんめ、鬼ごっご、かくれんぼ、けんぱたなんぞ日が暮れるまで遊んだものだが、そのなかで年端のいかないちびは、遊びにはくわえるが勝負の頭数には入れなかった。そういうちびをがめんちょろという。もともとの意味は半人前という意味らしい。
鬼ごっごで捕まえられても鬼になることはないし、ゴム跳びなどで飛べなかったとしても勝ち負けの数にはカウントしない。でも遊びにはくわえる。差配してたのはたぶん年かさの私だが、言った本人は覚えておらず、がめんちょろにされたちび(妹たち)は、ウン十年たっても執念深く覚えていた。
 

「遠くに遊びに行くときなんか、途中でお姉ちゃんからまかれたもんね。」
そう、面倒みきれんと思ったときは、だーーーーっと走っておいていったのだった。あはは。お姉ちゃんということで妹のみならず近所の小さい子の面倒見る方も大変だったんだよ、ちみたち!



さて、さいかい丼フェア、地元の新鮮な食材を使った丼が、協賛20店舗で割安で食べられるとあって人気があるらしい。「去年も連れてきて貰った」と母。食べたのは、松島行きのフェリー乗り場のすぐ近くの寿司割烹若潮
鯛釜飯に、あわび1個と伊勢エビ半身の焼き物、その日とれた刺身に、蟹がはいった味噌汁。マイ箸を持っていくとコーヒー1杯がおまけでついてくる。母はちゃんと私の分の箸を用意してくれて、準備万端。獲れたての海の幸に舌鼓。いっや〜極上の美味しさ。



これで1500円。ささやかな誕生日お祝い。こうやってみんな揃ってわいわいやるのが一番のプレゼントなのかも。


このあと小さな道の駅に寄って、地元の美味しい卵やら、みかんやら、手作りのカステラを買い、とどめにケーキ屋にまで寄って、熟女会は盛り上がる。妹たちの子どもも来年、再来年と順番に卒業を迎え、独り立ちの日も近い。




がめんちょろ。。。。かあ、あの時代からどれだけの月日が流れたことやら。随分と遠くまで来たなあ。それぞれ色々あるけれどこうやって集まれるうちは、集まってぴーちくぱーちくやりたいね。


家に帰って、相方に「がめんちょろって覚えとぉ?」と聞くと、「かべちょろのことか?」・・・(かべちょろ=やもり)。いや、違うって。