雨ばかり

雨ばかりだ。春雨前線停滞中というところか。
先日、EPOMさんから正岡子規の句を教えていただいた。


「紅の二尺のびたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる」


おそらくは肺結核で東京根岸の庵で静養中に詠まれた句ではなかろうかと想像している。(坂の上の雲のワンシーンがよぎる)
病床にあった子規が、庭に四季折々の草花を植えて、日がな一日じっとそれを見つめていることが多かったというから、薔薇も植えたのだろう。
子規が見ていたのは何の薔薇だったのかな。野薔薇だろうか、それともこの頃西洋からはいってきたモダンローズだろうか。
私に歌心はないが、春雨の中薔薇の紅い芽に気づく人は少ない。注がれている視線の向こうに病気で動くことのできない子規の、静謐で揺るぎない生への憧憬を見るようである。


霧雨の中薔薇の芽を撮ろうかとも思ったが、カメラが濡れてしまうので断念。軒下のクリスマスローズを。

雨にもめげず咲く花、クリスマスローズ。うちの庭に咲いているのは、今はこの花だけだな。





雨もどうやら今日を境にあがるようである。もうストーブもつけなくていい暖かさだ。
雨ばかりで鬱々していたが、雨の中にも愉しみを見つけられるといいな。