すがちその3

日向岬から伊勢ヶ浜を挟んで、海が眼前に迫る波打ち際に建つ大御神社。



間近に荒れた波が迫り来る。



こんな日に初参り。待望の女の子だろうか、家族の1ページが刻まれている。



近くには神社以前の古代祭祀場の大岩が残る。この岩の上に実際祭祀をした跡が残っていたそうだ。



はられたしめ縄はたっぷり水気を含み、紙垂は毎日取り替えるのだろうか、はたはたと風に揺れる。



寄り添うように咲く黄色いノカンゾウの花。


神社の横の山は、戦国時代には小さなお城があり、一族の墓が山に寄り添うように建てられていた。頂上付近には太古のストーンサークル状の祭祀場も残っているというので見に行く。




途中の鵜戸神社。



奥から見たこの形が登る龍に見えるというので、付近の人の信仰を集めている。


祭祀場はうっそうとした照葉樹林に囲まれ、半分埋まった形で岩が円形に並んでいた。半径、井戸くらいの大きさだろうか。うち捨てられた岩の廻りは、湿気を含んだ落ち葉に埋め尽くされ、小さなオレンジの蟹たちが無数に暮らす聖域となっていた。
無造作に野の花。

 
 


「いそら」とは人魚の古名であり、やがて海水に浴して潮見する巫女の代名詞に移りました。女人の敏感な素肌や黒髪をもって、水温・水質、さては浮かせた身の波間に踊るをもって、大風・大波を案ずる日課が「いそら」の務めでありました。
「儺の国の星」(眞鍋大覚)より


古代の巫女は、毎日夜明け前に起きて、白衣一枚で海の中に入り、水温・水質を肌で感じ取り、体を浮かせてその動揺を観測して、台風や地震を予知していたという。


観測機器などなかった昔、人々は自然の驚異をじっと観測することで予知しようとした、八百万の神をただ崇拝するだけでなく・・・・。神社がそういう役目を負っていたことに最近気づいた・・・・・、神社謎解きもやめられないわ・・・。